アルヒフラット35 被害者のブログ

アルヒフラット35不正融資被害者を救いたい!

アルヒの【フラット35住宅ローン】による被害の話。(その4)30代男性

30代の会社員(男性)の事例です。

フラット35の契約をさせられたのは2019年2月でした。融資額は1,800万円です。

 

 

購入した物件について 私は千葉県のファミリータイプで築30年の一戸建てを1,800万円で2019年2月に購入しました。
ARUHIと金消契約を行い、1,800万円の融資を受けました。

 一括返済請求をされていない状況でしたが、事あるごとに発生する支出に耐えられず、売却する為、数社に査定依頼を出しました。

しかし査定額は購入額の半額以下だった為、手出しが大きすぎ売却できませんでした。

そんな中でどうにか物件を手放す方法がないか弁護士に相談したところ、フラット35を不正利用させられる被害が起きていることを知り、そこで自分も住宅ローンを不正利用してしまっているという事を知りました。

 現在はアルヒフラット35被害者同盟の活動と並行して不動産業者への買戻し請求などを行い物件の売却および被害回復を目指しています。

 

投資用不動産の購入


 購入のきっかけは、所属していたコミュニティの代表(以降A氏)からの紹介でした。
 私は20代後半に地元から離れ現在の会社に就職しました。

仕事に励む傍ら、新天地で交友関係を広げようと思い、知人から紹介されたA氏が主催するコミュニティのセミナーに参加するようになりました。 はじめは警戒心もありましたが、セミナーでは将来の為の投資(じぶん年金など)を題材とした講座が多く、儲けようという方向性の講座はあまりありませんでした。

加えて投資と関係のないセミナーなども頻繁に開催していた為、コミュニティに参加し始めてから1年が経過した頃にはコミュニティのメンバーやA氏に対しての警戒心は無くなっていました。
そしてコミュニティで投資について学んだり、他のメンバーの話を聞いている内に自分も将来の為に投資をしたいと思うようになっていきました。

 2018年下旬、A氏から「あなたの収入でも不動産投資ができるかもしれない」と言われ、A氏の学生時代の友人の不動産ブローカー(以降B氏)を紹介されました。

紹介されてからすぐにB氏から本物件を提案をされました。

 提案は1軒のみで他に選択肢はありませんでした。

自分の収入だと他に紹介できる物件がないと言われましたが、当時は”収入が少ない自分の為に購入できる物件を提案してくれている"と、むしろ申し訳なさすら感じていました。

 収支についてはほぼ±0と説明をされました。

しかしコミュニティで学んだのが将来の為の投資(じぶん年金)であり儲ける為の投資ではなかった為、疑問に思うことができませんでした。

 今考えると色々と不審な点はありましたがA氏への信頼から疑う事ができませんでした。

 コミュニティに参加していなければこの提案に対して躊躇していたかもしれませんが、コミュニティ内ではかなり数の人が不動産投資をしており敷居の高さを感じなかった事と、信頼していたA氏からの紹介だったということで、リスクの大きさを理解しないまま不動産投資に踏み切ってしまいました。


住宅ローン審査


 審査書類はB氏に指示された箇所に記入、捺印をする形で、提出はB氏が行いました。
この時の私は信頼していたA氏に紹介されたB氏に騙されているとは夢にも思っておらずB氏の指示に従ってしまいました。 

 それ以降はARUHIとのやり取りもないまま審査が進み、気がついたときには金消面談まで話が進んでしまっていました。

 

ARUHIとの金消契約


 2019年2月頃、ARUHI横浜関内店で金消契約を行いました。

ARUHIとの面談直前にB氏から「形式上いろいろと質問されると思いますが、自分で住むと言ってもらえれば大丈夫です。金融機関もお金貸したいのでそれ以上は聞いてこないです。」というような説明を受けました。

説明に対して疑問を覚えましたが、考えを整理する間もなく金消面談が始まってしまいました。

金消面談は書類の内容を追うだけの簡単な確認で、すぐに終わりました。

 金消面談が終わった後、B氏の誘導で近くの喫茶店に移動し、不動産会社の社員と本物件についての重要事項説明と売買契約を行いました。

重要事項説明と売買契約の後、司法書士も加わって抵当権設定の書類に署名・捺印を行いました。


 契約内容の不自然


 当時は不動産のローン審査など行ったことがなく気づく事がきませんでしたが、今思うといくつか不自然な点がありました。

 

まず1点目は契約を行ったアルヒの店舗についてです。

 私が金賞面談を行ったのは、ARUHI横浜関内店です。

私の場合”千葉県在住の私に千葉県の物件を東京都の不動産ブローカーが仲介し埼玉県の不動産業社が販売して、それを神奈川県のアルヒが審査する”という状況になっており、物件や関係者の所在地とも関係がなく、距離も遠いARUHIの支店をわざわざ利用したことになります。

なぜ契約店舗がARUHI横浜関内店でなくてはいけなかったのか疑問に思います。

 

次に2点目は金消面談のタイミングです。

 金消面談に対して重要事項説明と売買契約の順序が逆でした。
ARUHIからの開示書類を確認したところ金消契約以前の日付で、明らかに他筆で記名された重要事項説明と売買契約が提出されていたことが分かりました。

加えて自分の手元にある直筆の署名、捺印をした書類と宅建士の名前が違うなど、書類の偽造が行われていたことも分かりました。

そのような不審な書類について、なぜ本人確認もなく審査が進んだのか疑問に思います。

 

最後に3点目は融資金額と物件相場額の乖離です。
 私の購入した物件は1,800万円(実際の支払金額)でしたが、その後行った査定では最大でも900万円程度の物件価格という回答でした。

これは抵当権の設定をする上で本来の担保価値に見合わない金額が融資されたことになり、ローン支払いができなくなった場合に融資した金額の回収ができなくなる恐れがあります。

そんなリスクの高い物件に対して融資が実行されたことについて、ARUHI及び住宅金融支援機構の審査が適切だったのか疑問に思います。

 

不動産業者から聞いた話


 契約当時B氏から「投資物件を住宅ローンで購入することに問題はないです。ネットで調べればわかります。」「1回住民票を移してもらえば後で戻してもらって大丈夫です」と言われました。

 

とくに辛かったこと


 もっとも辛かったのは被害について人に相談できなかったことです。

このスキームにハメられた場合、契約者が加害者にされてしまう為、人に相談することもできませんでした。

そして誰にも相談できず騙された自分を責め続ける日々はとても辛かったです。

 

最後に


 私の場合はA氏やB氏を信用し警戒心を持てなかったことが騙された要因だと思います。

それについては今も自責の念を感じています。

 しかし、それと同時に現在は、アルヒや住宅金融支援機構の不誠実な対応を目の当たりにしたり、他の被害者の事例を聞いている内に、金融機関に全く責任がなかったのかと疑問を感じるようにもなりました。

 署名をしなければ業者に委任したことになってしまう契約書、契約者不在で進んでいってしまう審査体制、異なる筆跡が書類に混ざっていても契約者に確認されることなく進んでしまう審査など数えればきりがありません。

 アルヒと住宅金融支援機構には不正が起きた原因を明らかにし、今後、同じような被害者を出さないように対策をして欲しいと思います。